2009年6月27日土曜日

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

@エヴァファンにはどうぞオススメ。良くも悪くもその程度。

*完全ネタバレ

良くない点は、観客がTVシリーズを見ている事を前提としてリメイクしている。
でも、「リメイクでも続編でもない。」って、序の頃から言ってるんだよな……なんて卑怯な庵野だ!


序は結局、「エヴァは最初は面白かったんだけどなー。」という事を再認識させれれた。
TVシリーズの1~6話の名シーンをぶつ切りにして、CGを盛り込んだのと、微々たる設定変更が盛り込まれただけだった。
わざわざリメイクする必要はあったのか?
しかし「リメイクではなく~」という言葉で茶を濁された。
多分、劇場版を3部作作る為に予算増やしたかったのだろう。

で、今回は、ほぼ全篇新規カットによって製作された。 そして新たな展開を盛り込むと謳っていたが、嘘八苦。
たしかに、新しいシーンや、解釈の異なったシーンは追加された、だが荒筋はTV版に追従する形になっている。

だが、今回の変更点は、TVシリーズにおける反省点を見直し、徹底してストーリーを再編成する物となっている。
まず第一に挙げる変更点はアスカの早期退場である。トウジではなくアスカが参号機の犠牲となった。

TVシリーズを観て、中盤で不安を覚えた描写といえば、参号機の餌食になったトウジが後のエピソードに殆ど絡まなくなった事。アスカの扱いを持て余してしまった事。

なんの為にトウジやられたんだ?っていうかトウジだった必要性は?
アスカ天才だったんじゃねーのか?竜頭蛇尾なの?死ぬの?
この変更はすなわち、TVシリーズの失敗を認めたような物だが、 尺はすっきり収まるし、悩みの種も一気に解消。今回のリメイクに大きな意義を見出した。

追加されたシーンは、ゼルエル戦で綾波までもが犠牲となり、アスカの二の舞は御免だと、シンジ君が半ば自力で、暴走モードに突入し、初号機を開放。あまつさえ、綾波を助け出すという大胆なシーンだ。

ここでは、綾波と初号機が人類補完計画の発動の要で有る事を明確に示している、すなわち、旧劇場版の描写に追従した作りとなってるのも好印象。
TV版では、十九話終盤での意味深な会話の割に、終盤の出来が出来だけに、いざ、初号機は戦わないわ、世界中赤い海になるわでは、落胆も大きかった。転じて今回はメチャ解りやすい。

ただ、TVシリーズ中期の展開をごっそり引っこ抜いて、7~19話までを90分で補完してしまったのは急ぎすぎた。なんだかんだで、使途との戦いが激しさを増していた時期だったしJAではしゃぐほーちゅうがいなくなったのは大ショックだ。脳内補完が必要なのは仕方が無いか。
また、使途との戦いも、あれこれ策を弄じて使途を殲滅するTV版の良さには敵っていない。

新キャラの真希波・マリ・イラストリアスについても言及しよう。彼女は、冒頭と終盤にて活躍する。
シンジ君が「男の戦い」繰り広げるのは、ゼルエルから二号機ごと逃げ延びた彼女は、危険地区となったシェルターから半ば強引に助け出した事で、シンジ君が市街とドグマの惨状、そしてゼルエルに綾波が倒されてしまうのを目の当たりにして戦意を取り戻すのである。

そのキャラクターはまず、戦闘狂。冒頭の使途との戦闘でエヴァンゲリオン伍号機を相打ちに破棄さしてしまうのだが、戦闘を存分に楽しんだ様子で、「思ったよりもきつかったな~。でも生きてりゃいいか。」と、どこのヤザン・ゲーブルだお前。あと、不思議ちゃん。まあ、その辺は面倒だから観たほうが早い。

他は、全体的には90分に収める為か、綾波とアスカがシンジに対して明確な好意を向けてるシーンが散在された。ラブコメパートはこんな程度で十分だろう。どっかの馬鹿がシンジの最低条件さえ満たしていない漫画も描いてる事だし。

大きな欠点はアスカ死亡シーンと、綾波救出シーンに流れるBGM、卒業式の定番たち。
「娯楽アニメに過ぎないエヴァンゲリオンを人生の教科書してしまった奴らは学校にいい思い出無いだろ。」という監督の捻くれた感性は蛇足だった。TV版のほうが圧倒的にカッコいいんだもん。

でも、ファンは絶対に観に行ってほしいね。序とは違って、今回のリメイクは有意義な者であったよ。
でも、一本の映画としても、序の続編としても穴が多すぎる。序、のあとコレ観ただけじゃSF設定と美少女の半裸を盛り込んだだけの陳腐な作品だ。「トップをねらえ!」の第一巻と同じぐらい。

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