2008年12月22日月曜日

「ゴジラVSキングギドラ」

この映画は私が人生で始めてみた映画であり、絶叫してつまみ出された映画でもある。
その時のゴジラとキングギドラが対峙するシーンいまでも鮮明に焼きついている。

しかし、その実態はあと5年でカルト化決定の馬鹿映画だった。

物語は“いきなり首取れて死んでる”この後の展開バラしまくりの
キングギドラ君の姿が映し出されると、次にタイトル。
直後、唐突に東京上空にUFOが現れてパニックが起こる。

で、わざわざ自衛隊とか呼んでも道路交通の迷惑にならない“北海道にどっか”
に着陸。ぞろぞろと来る自衛隊。
そしてUFOから3人の立体映像が、東京の国会に届く
その3人の中に日本語がままならない若き日の“チャック・ウィルソン”
がいる。(しかも役名も“ウィルソン”とそのまんま)

彼ら曰く、自分たちは未来人で、日本を救うために来たと。
ゴジラによって日本が滅ぶからゴジラが誕生する前に、
ゴジラの元になった恐竜ゴジラザウルスを転送しよう。


と強引な提案する。

そこで偶然ゴジラザウルスの手がかりを取材したが“「ムー」”に記事を買って
もらえなかった主人公・寺沢
。彼は後に自費出版でゴジラザウルスと
ゴジラの誕生の経緯を仮説した「ゴジラ誕生」を著していた。
未来人は1946年に生き残っていたゴジラザウルスを彼に確認してもらう
ために同行を願う
。って・・・

1945,6年頃に恐竜がいたら確認するまでもなく
そいつ
だと思うんでうけど・・・


タイムマシンの中には不細工なグレムリンもどきが3匹もいてウザイです。

で1945年のゴジラザウルスの居た島ではアメリカ軍と日本軍が交戦中。
アメ公はタイムマシン目撃してものん気にも
「UFO?くだらねぇ。帰国したら息子にはなしてやれ“スピルバーグさん”」

・・・スピルバーグが「ET」とったのはこのおかげ?


で、ゴジラザウルスがなんやかんやでジャップ加担してにアメ公半殺しで相打ち。
このまま死んでなくってゴジラになったそうだ。
そこで
「よし、今のうちに日本海のどこかに転送しよう」

と、なぜか殺さず。日本海のどっか(しかも正確には太平洋日本近海)
に転送しました。


そして寺沢はなんの活躍というか役目も終えず帰還。

するとウィルソン
「ゴジラはしょうめつシマシター。ですが変わりにキングギドラが現れた。」

寺沢「なにぃ!キングギドラ!」


でも本人は割りと納得していました。唐突に登場した未知の単語のはずのキングギドラ
やっぱキングギドラは偉大。



誕生した怪獣キングギドラは日本に上陸!破壊の限りを尽くす!
コレまでのトンチキチンぶりが嘘のような大迫力の映像!

なんとギドラは23世紀に世界一の超大国になった日本を弱いうち破壊するためにグレムリンもどきゴジラと同じ核兵器被爆の突然変異で誕生させたのだった!

ええーーー!!
23世紀の発想が『アメリカン・サイコ』並にバブリー
ゴジラと同じ核兵器被爆の突然変異がポンポン起こったらどんだけ怪獣
誕生するねん。


というかこのプロセスで寺沢を呼んだ必要は!?


現代人一行もグレムリンもどきが臭いと考えていました。そして、
調子に乗ってる日本語がままならいチャック・ウィルソンに嫌気が差して
未来人の一人エミーが現代人に加担しました。

寺沢たちは日本海(太平洋だけど)に遺棄されたゴジラザウルスが、
遺棄した地点に偶然にも核汚染事故があった事実を知り、
ゴジラを復活させてキングギドラと対決させるという、

無謀というか無能な計画を実行に移しました。

そして復活したゴジラになんか知らんが異常な敵対心を見せるウィルソンは、
ホイホイとキングギドラをゴジラに向かわせました。

・・・ゴジラとギドラに同時多発的に日本を破壊させたらいいんじゃないのか?

その間現代人一行は、コレまでの特撮が嘘のようにショボイターミネーターもどき
が出てきたり、“レーザーガンで戦って”ウィルソンたちをゴジラに殺せさせました。

で、ゴジラとキングギドラの対決は大迫力なのですが・・・
“冒頭のアレ”が出落ちが気になって・・・
しかも、キングギドラ勝利確定の時になってお約束のコントロール装置が壊れて
気絶
してしまって負けちゃいました。

昭和時代からリンチにあったりつくづく運のない怪獣です。

ゴジラの放射能熱戦によって真ん中の首をぶっ飛ばされたギドラは逃走するも
ゴジラの追い討ちでオホーツク海に沈みました。

その後、何の対策も思いつかないままに自ら蘇らせたゴジラに成す術の無い日本”はゴジラに蹂躙!

エミーは“未来にいってキングギドラを蘇生させる”という不安な計画を抱いて
未来に帰りました。

その後は、ゴジラは日本列島を破壊しまくります。

そして首都に上陸したゴジラ!
東京都庁を派手に破壊していると
空から!

メカキングギドラなるキングギドラにバランスの悪いメタル装甲と、威厳に欠けるメカ制の真ん中首つけられた世にもあんまりな造詣でギドラが復活!

寺沢「エミーよくやった!」
エミー「コレからが本番よ。」

 ど う し て わ ざ わ ざ 戦 闘 員 で も 無 い
 エ ミ ー が 乗 っ て る の か ?


というか

 タ イ ム マ シ ン で 首 都 入 る も っ と 前 の
 時 間 に な ぜ 来 な か っ た の か ?


さぁ!
メカキングギドラとゴジラの戦い!

が、

 金 属 装 甲 部 品 で 着 ぐ る み の 重 さ が 増 え
 あ ま り 俊 敏 に は 動 け ま せ ん 。


ですが、なんとか“中の人の体力が持ってる内に”ゴジラと共に海に沈み
ました。


と、突っ込み所満載な作品なのですが、
特撮シーンの大迫力と“流行に便乗した描写
実際観ていると“ツッコミどころ満載な上に超絶ハイテンポな話なんので
案外どころかかなり楽しめる作品になっています。

「ヘル・スネーク:淫蛇の交わり」

罰当たりなぐらいケバ過ぎる処女に蛇の悪魔が取り付いて淫行の限りを尽くす。
しかし、ラストに出てくる蛇は“映画史上最も無害な姿の蛇”それをプツッと踏み潰してめでたしめでたしという馬鹿極まりないラストのレビューだけが世界的に分布し映画。

えーと、エロシーンなんですがショーガール以上に興奮しません。「エクソシスト:デュレクターズ版」が世に出回っていない時代なので“ブリッジパロディ”すらされていません。
見所は蛇に取り付かれた体がバックレイプ図になって一人永遠と喘ぐ馬鹿の真骨頂のシーンです。

2008年12月6日土曜日

「ゴジラ」(84版)

9年ぶりの新作、SFブーム、米ソ冷戦期などなどの特殊な事情により、ゴジラシリーズとしても、怪獣映画としてもカナリの異色作となってしまい、賛否が現在も特撮オタクの間でやいのやいのうるさい事になっているが、私は異色作だからこそ本作に一票。

本作、大人向け(つまり一般大衆向け)のゴジラを撮ろうと奮起するあまりに、映画全体が終始暗い、冷たい、重い。三拍子の空気で構成されている。

しかし、これらは結果として、新生ゴジラに不気味さ、おどろおどろしさ、体重3万トンの重厚感を与えており、恐怖の象徴としての怪獣の二文字に相応しいものとなっており、その破壊描写もどこか陰惨だ。
怖いゴジラ単騎を描くのならばこういうのは全然アリだろう。

ドラマ面では、ゴジラが国際的問題として取り上げられ、核を使うか否かという論議にまで発展するなど政治戦略的な場面が盛り込まれ、逃げ遅れた主人公一向のゴジラの襲撃を受ける東京のビルからの脱出はゴジラの被害を被る個人を描いた試みも評価されるべきだろう。

ただ、良い所ばかりではない、都心へとゴジラを誘導する自衛隊。ゴジラが来てるのに運行する新幹線。核兵器を結局使うソ連など等、

撮りたい画の為に理性を失ったスタッフの暴走が伺える。

ただし、出来上がった映像は迫力満点。名場面の連発なので仕方が無い。
ただ、この辺の問題を解消していたならば娯楽作以上の評価を得ただろう。