2009年11月28日土曜日

黒い太陽731の動画版レビュー

『黒い太陽731』
@駄作

http://www.nicovideo.jp/watch/sm8939801

ニコニコ動画はGOOGLEのブログサービスに対応していない事が発覚。
ご鑑賞いただくにはアカウントが必要なのであしからず。

*なんかネット右翼批判な動画になってしまった。
*製作に時間をかけすぎた。
*「ローゼン閣下」と「ゴルゴ13閣下」。選挙では後者の方が少なくとも有利だったろうに。
*宇宙人「リベラルが思想が麻薬とはよく言ったものだ」 
*麻…いや、川中島「暗い…開票モニターが真っ暗だ・・・」
*麻…いや、川中島「卑しい電気紙芝居風情に俺の画像を使うなど無礼なクソバエが!」

11/30追記

*思い出してみれば、今回の動画製作の切欠は、ネット右翼がウザイのと、左翼気取がウザイと思って作り始めたのだ、政治色が濃くなったのは当然だ。だが、これはこれでいいのだ。出来の良し悪しは視聴者の皆様に委ねて俺は次回作を作ればよいのだ。

2009年11月14日土曜日

クール・ワールド

@カルト的要素を備えつつも凡作。92年の時点で“萌え”を否定した狂気の予言録

1945年、大戦から帰還したフランク(ブラッド・ピット)は交通事故で母を失い、自身もアニメの世界にワープしてしまう(以後、母親の死と1945年は本筋に関わらない)
そして92年、ジャック(ガブリエル・バーン)は獄中にて「クール・ワールド」というディストピアコミックを執筆し、 カルト的な地位を得ていた。(しかし、5分ぐらいして出所する。罪状は本編で1度触れられるだけでやっぱり本筋に関わらない)
しかし、彼は出所前から「クール・ワールド」の世界に引き込まれるようになっていた。そして、いよいよ、夢ではなく実際に「クール・ワールド」を行き来していると悟ったジャック。
自身の創作した魔性の美女ホリーに萌えているところに「漫画と人間がセックスすると漫画が人間になっちまう!」とこの世界の住人と化していたフランクが忠告を加える。
しかし、ホリーは現実世界に執拗な憧れをいだきジャックはやがて誘われるがまま・・・

レビューしてみるとひたすら、ややこしい作品である。
安っぽいアニメと実写の混合、行き当たりばったりで余計な設定が多く説明不足で洗練されていないストーリー、豪華俳優陣、あまりにシニカルでゲテモノと形容できるアニメキャラ、などもはや挙句に果てが無い。
問題なのはこれらが、噛み合ってすらいない内に強烈な個性を発散させるに到る。

ブラピに到っては「俺はいったい何の映画に出ているんだろう?」というストレスが表情に常ににじみ出てしまっている。アニメは後で合成されるため、撮影中は常に不安だったのか。
そもそも役柄が1945年に不慮の事故でアニメ世界の刑事になってしまった童貞の帰還兵だ。こんなわけのわからない役はない。一応、戸惑う主人公にアニメの世界のルールを解説する役になるが、彼の説明といえば

「漫画と人間がセックスすると漫画が人間になっちまう!」
そのりくつはおかしい。
「ペンは危険だ!吸い込まれてしまう!」
ペンで武器を描くとう発想は無かった、インクがペンの中に吸い込まれるのだ。しかし、吸い込まれるだけで後で普通に出てくる事が可能。ブラピは何を慌てているのだろうか?
「火炎電球を奪わせるな。」
火炎電球、どう聞いても英語では「アニメと現実の境目を塞ぐ“スパイク(栓)”」と聞こえるのだが、この謎の翻訳により意味不明なものとなっている。

観客が知りたい「1945年当時から存在するアニメの世界をどうやってガブリエル・バーンが獄中で再現できたの?」
この点は「お前がこの漫画を作ったと思うな!」のセリフで一蹴し作中で一切触れなくなる。

彼はラストで、現実世界で童貞のまま息を引き取ったブラピがアニメとして転生し、アニメの世界で筆下ろしをする。吹き替えをするブラピの声は妙に元気溌剌であり、ヤケクソの境地に達したものと思われる。

しかし、かように不安定なブラピ、なぜかカッコいい。男の目から見ても妙にカッコよく、主人公を演じるガブリエルは二次元の美少女(しかも自分の創作)に翻弄されるピエロとなっている。

ホリーはエロイ。「ロジャーラビット」のジェシカラビットの極端すぎるセクシーラインをバランスよく整えて露出度アップして色情狂にしてせっせっせよりも過激な事をしてくれるのである。
だが、問題が二つ有る。
一つは上記の通り本作の漫画キャラは人間とセックスすると人間になる。
で、人間になったホリーを演じるのは

キム・ベイジンガーさんじゅうきゅうさいなのだ。
キム・ベイジンガー三十九歳なのだ。
キム・ベイジンガー39歳なのだ。


キム・ベイシンガー美人だけどさ・・・・・・さすがに老けて見える。
ホリーは多分20代だ、もし仮に29歳だとしよう、これは20代、もしくは30代と形容できる。
しかし、39歳は40代としか形容できないのが男の掟なのだ。これを破ると死ぬのだ。
つまりキムは20代のエロエロなビッチを、40歳にもなって演じている事になる。頼むから仕事えらべよ!
いつまでジャック・ニコルソンみたいな面した究極のキチガイピエロに至高のキチガイ求愛をされる美女の地位にいてるつもりなのかと。

もう一つ。彼女は“現実”に妙に執着する。
なんというか、このリアルに執着する二次元嫁とそれに追従する空想好きの主人公の図が、男性の女性に対して潜在的に恐れている事を顕著に示している気がしてならない。

2ちゃんねるでよく「これはただの絵だ。」とか「それは人間をタンパク質だ言ってるのと同じなわけよ。」と言われる昨今だが、本作の場合は「おいおい、それは女だぜ?」と根源的かつシンプルな回答を92年の時点で述べている。
「萌え萌えしてる相手って所詮女じゃん」っていう絶望的(?)なテーマが主題となっている。

しかし、物語はブラビといいマッチョなアメコミヒーロとなったガブリエルといい“現実”の否定で締めくくられるのだ。

「どんな美人でも女なんてめんどくせーよ!アニメ見ようぜ!アニメ!」
どんだけ狂ってるんだよ!

萌えキャラどもに無防備すぎるアキバ系の兄ちゃんたちに必要なのは、ホリーのような女の嫌な所に特化したエロい姉ちゃんなのかもしれない。うん。