2008年9月18日木曜日

ダークナイト



@ヒーローアクション+犯罪クライムアクションの大傑作、ただし猫背ジョーカーとトゥーフェイスはこの際いらなかった。





バットマン、デント、ゴードンらの巨大組織犯罪との戦いが序盤に描かれ、やがて三者様々の正義が狂人ジョーカーの卑劣な罠によって打ちのめされていく・・・それでも男達はくじけない。ゴッサムの人々の希望を絶やす訳には行かないのだから・・・





冒頭のジョーカーの狂気の銀行強盗に、駐車場でのギャングとの戦い。香港の摩天楼での逮捕劇、


ジョーカーによって狂気に陥れるゴッサムシティの混沌。緊張のアクションシーンの連続は前作を遥かに上回っており、二転三転と映画3本分を2時間半に濃縮したような大掛かりなどんでん返しの連続はそんじょそこらのヒーローアクション物の粋を飛びぬけたハードでヘビィな凄まじく燃える“劇画・蝙蝠男”と若本則夫風に呼ぶべき漢の映画に仕上がってます。ここまで男たちの聖戦を徹底して描いている以上キャットウーマンやポイズンアイビー、ハーレイクインなど萌え要素がこのノーラン版での登場が絶望的状態です。

しかしラストがいただけない。いかにも「バットマン可哀相~。」という演出が臭すぎる。あそこはバットマンの強さを強調してもよかったはずだ。


ジョーカーであるが、笑いガスとかオモチャ型爆弾とかは本作の作風には会わないので使わないで良しとして、原作からかなり弄られており、徹底的に顔の線が多く、色の区分がハッキリして無いメイクとなっている。徹底して漫画だったジャック・ニコルソンとの差別化を図った物と思われる。色素が抜けた白い肌に、神経がやられて笑いっぱなしの顔が“口が裂けてる上にメイクしてる”という設定に変更されたが全然笑っていいる感じに仕上がっていない。無秩序混沌を徹底して求むジョーカーの犯罪はかつてのアニメ版や実写版よりも圧倒的に残虐な物だ、だが、本家ジョーカーは無秩序混沌を“徹底して求む”というよりも本人にとっては破壊殺戮混沌が“純粋にエンターテイメント”でしか無いという絶対共感不可能故のカリスマ性が失せてしまっている。おふざけよりも能書きを垂れる場面の方が多かったのは、ジョーカー共感性のある、あるいは説得力のある悪役にしようとしたのであろう。ぶっちゃけジョーカーファンから言えば大失敗である。猫背で長々しい狂人演説で真面目に人間のエゴを説くよりも、無秩序混沌の楽しさを不真面目にひゃはははホッホッホとえびぞってバットマンと視聴者を徹底的に馬鹿にして歌う不愉快極まりないKYな奴、これだと随分自分の中のジョーカー像に近づく。しかし、監督の意図していたダークで真面目になった猫背ジョーカー自体は故・ヒース・レジャーの好演もあってことジョーカーという絶対的高次元の存在悪という枠から外せば映画史に名を残す凶悪な悪党である。また本作で顔面損傷記録がまた塗り替えられたトゥーフェイスであるが原作版と異なり、ジョーカーに翻弄され狂気に落ちいった可哀相な人あつかいでコイントス妨害も無く、あっさり死んでしまいました。本家ではギャングらしく真面目に銀行強盗やらかしたり、バットマンと沈みそうな船の甲板でタイマンをやらかしたり、巨大なコインにくくり付けて串刺しにして処刑しようとしたりと、豪快かつ無骨、バットマンを逆恨みして執拗にねらう強敵の一人だったのだが・・・バートン版よりも明るい60年代ごろのカラフルな雰囲気を持ち込んだ正統派ヒーローアクション『フォーエバー』の唯一のにして致命的な欠点であるトゥーフェイスとリドラーがジョーカーとハーレイクインとして翻訳されてしまった事に落胆したファンとしてはやくざなトゥーフェイスも見たかった。。

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