『デスノート』や『アクメツ』といったアンチヒーロー、ピカレスク物が評価を受ける2000年初頭今日。
ピカレスク物に殆ど手を出した事がなかったサンライズが、インフレロボットアニメとチート能力漫画と学園ものSFなどなど、“妄総力”を結集し、「中二病って言う奴は死ね!降伏すら許さん死ね!」ってぐらいのモチベーションでやりたい放題超ノリノリで制作したであろう怪力作。
主人公ルールーシュはギアスという超能力を授かり、母の仇と妹の安全を確保すべく、父が統べる
世界最大の軍事帝国に凶悪テロリスト、ゼロを名乗って挑戦を挑む。
記憶操作系能力という“少年漫画史上もっとも最高クラスのボス悪役が使用した能力”を駆使して能力バトルではなく、常人に使ってやりたい放題、反乱の策謀術に使用という、ロボットアニメの主人公にあるまじき一線を画し過ぎた外道っぷり。
しかし主人公の旧友、枢木スザクが“素晴らしい正統派主人公”ぶりで軍隊のエースとして彼の前に立ちはだかる。
凶悪テロリス・ゼロという正体を隠す主人公ルルーシュと友人とのやり取りをしつこく、あざとく描いてるので逆に半ばギャグと化している。それでいて、学園もの手法でキャラクターを全員立てたのは正解だった。
それ以外は柿崎憲の代わりにロボットと美少女が出てくる『野望の王国』。“山ごと敵を生き埋めにしたり”“ビルごと敵を爆破したり”“特に意味も無く虐殺したり”登場人物全員がやたら破壊嗜好が高い。さらに終盤4話は超展開で破壊・殺戮・外道のオンパレード。ギャグ担当の一発屋が左右非対称キャラで復活して素敵な機体で逆襲。なんだかんだでゼロが魔王宣言。笑ってるよ、笑ってるよ。前線でインフレ機体使って虐殺しまくって女はべらかして笑ってるよ。
しかし、妹が拉致られて全てを放棄して「お兄ちゃんが助けにいくよーん!」。
お前はそれでいいのか?
最終回、旧友と銃を向け合い。
「俺とお前で出来ない事なんて無かったじゃないか!」
・・・えー中盤に「ゆくか!修羅のみちを!」とルルーシュに叫ぶ老人が現れるのだが、付箋回収諦めて“破壊描写に専念”、積み重なった24話分が音を立てて崩壊、混沌の中で“本当に『修羅がゆく』の最終回みたいな構図で終わる。”(「ゲドーが!」⇒首チョンパのVシネじゃ無い方。原作劇画の方。)
などと、悪ふざけが入る余地こそあれど、屈指の傑作アニメである。
何より熱い。
R2は見なくて良い
お勧め
『野望の王国』・・・っていうか本作の元ネタ。しかし柿崎憲があらゆる意味で放送禁止コード引っかかるから多分映像化不可能。
↓、柿崎憲
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