2009年5月27日水曜日

片腕マシンガール

@不合格


全篇血みどろでデタラメな和製『悪魔の毒々モンスター』的な一本。

それなりに面白いのだが、物足りない。
この手の映画で最大の褒め言葉は「監督はヤクでもキメてたのか?」とか「乞食の飼い犬が脚本書いたのか?」「女優はプロデューサーとファックでもしてたのか?」等など、普通は悪口にしかならない異常な発言であり、早速名言が登場するのだが、残念ながら「どこのボンボンが撮ったんだ?」って疑問符が沸く程度である。

『極道戦国志不動』や『悪魔の毒々モンスター』の持っていた狂った世界と、狂ったシビアさが抜けている。詰まるところ観客に対して優しすぎる。

B級映画鑑賞とは、ノーマルな映画ファンたちが掃いて捨てる低予算作品たちを、いかに楽しむか、いかに馬鹿にするか、いかに褒めるのか?という侘び寂びの世界なのだが、本作は上映そうそう「血が出たら笑ってください」等、スプラッタ映画の楽しみ型を指南する形にした結果、その楽しみ型を限定した作品となってしまっている。

残虐描写が予定調和なのもマイナスだ、予想外の奇天烈なゴアシーンは殆どはなくどこかで観たことがあるものばかりだ、
主人公の腕が天婦羅にされるシーンだが、 もう何回も観たよ。『女虐』しかり『DEAD OR ALIVE 犯罪者』しかり、一番最初にギャグでやったのは『悪魔の毒々モンスター』だった筈。(ちなみに、いずれも『霊幻道士3』のキョンシー姿揚げを凌ぐ破壊力は持ち合わせていない。)

が、悪くない点もある、深夜全力疾走で主人公が叫ぶ「私は復讐を果たすまで鬼畜であり続ける!」と漫☆画太郎を地で行く狂った描写や、死体の前の穴を犯すか後ろの穴を犯すかで相槌をうつヤクザの子分など。

強いて言えば、ちゃんと馬鹿映画として作るのではなくあえてシリアスに作っていればこういったシーンも引き立ったのである。

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