2010年6月2日水曜日

発明BOYカニパン

『発明BOYカニパン』

@なつかしきC級キッズアニメ

本作、制作までの成り立ちが不明慮なアニメ作品の一本である。『スラップスティック』というTVゲームを基にしているまでは解っているが、そのアニメ化なのか、セガサターンでのリメイクを見越した商業展開の一環だったのか、ドリームキャストへの転換期でポシャッタ作品を元にしているのかよく解っていない。
「コロコロコミック」での番宣の内容も、本編の内容と著しく異なっていたとされている。

いずれにしろ、企画が未熟なままでスタートした本編前期と、後期ではスタッフのモチベーションが大きく異なっているようにも思える。

前半は子供向けと明らかに手を抜いているようにさえ思える。ただ、これは「どこまで子供向けに徹するか?」を試行錯誤した結果だとしたら失礼な言いようだが。こども騙しの一言で片付けられた。
そもそもキャラクターのテンプレートぶりが酷く。前半で登場した主人公カニパンの同級生は一人を除いて後期には殆ど登場しなくなる。

一方で後期は、ライバルキャラクターの登場と共にエンジンが温まっていき、主人公らのキャラクターの個性が際立つようになる。
特に悪役のナムルとその秘書のワルノリに拍車が掛かっていく。ナムルに関しては悪役図鑑で書くとして、
人格を持ったロボットと、人間の共存する平和な世界で、西に東と駆け回るドタバタなトラブル解決劇はTV漬けだった子供時代を送っていた人には、懐かしさを持って迎え入れることができるだろう。
結局タイアップの類が最後まで起こらなかった事で、スタッフも予算以外の制約も無かったのだろうか、この低予算キッズアニメは見てる側もストレスレスで見れるファミリー向けへと終盤には昇格を遂げた。

『超発明BOYカニパン』

@ラストで挽回するもC級以下

前作の翌週から放映が開始された。しかし、ドリームキャストを中心としたSEGAなどのタイアップが入り込んだ上に、萌えアニメの台頭が始まったあおりを受けて、痛々しい仕上がりになっている。

第一に、世界の危機が迫っているのに世界観が前作よりも狭まってしまったのはどういう事だ?物語は青年カニパンの家と、世界の裏側を行き来するつまらない物になっている。
第二に、ただでさえ低予算なのにアクションシーンを盛り込んでしまい、作画のクオリティーは見るに耐えない。
第三に、まったく魅力の無い新キャラクターとのラブコメが織り交ぜられた、前半のくだらなさ・・・

ただし、ナムル復活後以降の、惑星崩壊の危機は二転三転と盛り上がりを見せ、最終回前編後編の熱い展開は、前作後期のテンションの高さと、初代トランスフォーマーばりの無茶と、日本アニメ特有の臭い演出が同居した傑作となっている。前作終盤のパーティー+NEWヒロインを加えて旅立つエンディングも好印象だ。

でも上記の3点は本当に見るに耐えない。見てて本気で怒りたくなって来る。優秀の美を飾ったとはいえない。

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