2009年6月13日土曜日

ターミネーター4

@100-30+10=80点

*完全ネタバレ(マックGの奴は突っ込みを期待してるに違いないから)

タイトルは第一作を彷彿させる入り方だ。
で、その直後、2003年、死刑囚マーカスが、死後の自分の肉体をサイバーダイン社の人体実験の同意書にサインする場面に切り替わる。

予想外すぎた、ただでさえT2の続き、T3以上の糞を想像し難かった観客にとってもターミーネーターの始祖と思われる物がストーリーに絡めてくるとは。

しかし、またしても場面は変わり、西暦2018年。
ジョン・コナー率いる反乱軍はスカイネットの支部を襲撃する。
クリスチャン・ベールは今回無精髭生やした不健康そうな革命戦士をやってるが、ジョン・コナーというよりも何故か「グランド・セフト・オートⅣ」の主人公に激似である。

主人公にしてもグランドセフトオートにしても本作のジョン・コナー、恐ろしく頑丈設計を見せ付ける。
核爆弾の放射能をものともせず、荒れ狂う海にダイブして潜水艦に乗車など、ニック・スタールの時から進化しすぎだ。

そして、また場面は変わってマーカス君、核爆発の衝撃でターミネーター流儀にならって全裸で登場。戦死者の遺品からバイオレンスジャックの如くボロボロのロングコートで放浪を始めた。

また場面は変わってジョン・コナー、親父こと少年時代のカイルがスカイネットの暗殺リストナンバー1に昇格されたと知知る。しかも、反乱軍の上層部は捕虜を見捨ててスカイネットへの総攻撃を計画していた。これに四苦八苦するさまが描写されたと思いきや、

また場面は変わってマーカス君、LAに到着。うまいことカイル少年とT-600の戦闘に巻き込まれる。 カイル少年とスター幼女の罠にはまってアホの子600は秒殺される。

その後、ひと悶着ありながらもマーカス君とカイル少年は意気投合。マーカス君も事の事情を把握。お礼とばかりにラジオを修理するマーカス君。

するとどうでしょう。ラジオからジョン・コナーが世界中の人類を鼓舞しておるではないですか。

マーカス君とカイル少年とスター幼女は、彼らとの合流を試みにエスケープフロムLA。

ようやっと物語が強引な場面転換抜きに動き出すと、後はCGがパカパカ動きまくるターミネーター軍団との壮絶な撤退戦が繰り広げられる。

そして燃料探しにギャングが占拠する商店に迷い込むと、超ド級巨大ターミネーターの襲撃を受け捕虜にされそうになる一行。

マッドマックスばりの卑怯戦法で辛くも逃げ出すのだが、巨大ターミネーター、体内からバイク型ターミネーターを放出。マーカス君にカイル少年は、トラックの装備を駆使して脅威の追撃を逃れたかに見えた。
しかし、スカイハンターに先回りされた挙句に、巨大ターミーネーターに追いつかれ、カイル少年とスター幼女と、マーカス君は逸れてしまう。

マーカス君、またしても放浪開始するが、ここでジョンの部下、女レジスタンスを助け出し、道中、ギャングの脅威からも守るのであった。

その頃、カイルたちは人体実験の材料として運び込まれる。
もうスカイネットは原爆落としたり、人体実験やったりと、第二次世界大戦の戦争犯罪の博物館の如き極悪人ぶりである。
カイルはとうとうターミネーターに見つかってしまうのだが、なぜか殺しはせずに彼を独房に放り込んだ。

女レジスタンス、ようやくジョンの下に戻ってきたのだが、マーカス君がターミネーターだと発覚。衝撃を受けるマーカス。「知っとるわ」と心の中で切れる観客。

マーカスと女レジスタンスは、駆け落ちを試みるのだが、見事失敗。
徐々にボロボロになっていくマーカス。
しかし、怪我の功名。ジョン・コナーを蛇型のターミネーターから救ったマーカス君。

ジョンは彼にチャンスを与える。スカイネットに侵入し、捕虜収容所のカイル少年救出を手伝えと。

マーカスは通信機片手に、カイル救出に向かう。

そして、捕虜ごとスカイネット爆破を試みる非常な反乱軍の元締めたち。
ジョンはコレに徹底反抗。バイク型ターミネーターを鹵獲して単身でマーカスの後を追って、スカイネットを目指す。曰く「I'll be back!」

そしてFF7のミッドガルスラムキングの新生魔王城をごった煮したようなスカイネット本部では、マーカス君は衝撃の事実を知るのであった。スカイネットがビジュアル系だろうが鎧武者だろうが斬馬刀を持っていない事を祈ったのは俺だけでいい。
なんとマーカス君はターミネーターのプロトタイプなどではなく、スカイネットが2003年のサイバーダインに干渉して作り上げた、ワンオフの特注品だという事が発覚。一番衝撃を受けたの当人以上に試作機だと思い込んでいた観客

その時ジョンとカイル少年はスカイネット本部の中に―――

マーカス君は起動次第、最低限の遠隔干渉で、カイル少年とジョンを、スカイネットに連れ込むみ罠によって両者を抹殺するというスカイネットの悲願を背負ったターミネーターだったのだ!

そして、ジョンはカイル少年の独房を発見したと思いきや、中から出て来たのはアーノルド・シュワルツェネッガーをCGで描写したT-800!
ジョンは、間髪いれずに蘇った鋼鉄の悪魔にマシンガンをぶちかます!

T3のアホらしい自身の死因フラグを2秒で完全破壊したジョン・コナー
スカイネットに操られ、今はおちょくられて完全にぶち切れたマーカス君
未来への希望となったカイル少年。
そしてあらゆる意味で不気味なT-800は未来を賭けた最終決戦に身を投じるのである。


と、大体の粗筋に初期の映画秘宝を意識して突っ込みを入れてみたのだが、アクションシーンのデティールの細かさや、T-800との観客の全身の血が燃え滾り全霊が咆哮する熱い漢の戦い、マーカス君の決断に感動を禁じえないラストは当方では伝えきれません。実際に御覧いただければ100点に相応しい内容だったのですが・・・・・・

序盤、観客を引き込み損なったのは10点マイナス。序盤の場面転換は常に荒削りであり、リスチャン・ベールの登場を遅らせれば解決できたはずだ。(本末転倒になりかねないが)

あと、メカニック。人類軍の装備がハイテクすぎる。USBメモリにiphoneみたいなタッチパネルのガジェットなど、どこのブルース・ウェインが持ってきた?
ソレに対してT1、T2の時はレーザーライフルを撃ちまくってたスカイネットの、ガトリングガン至上主義はなんなのか?ちょっとローテク過ぎるだろ。これも10点マイナス。

で、シュワルツェネッガーことT-800初回限定版。
登場時のインパクトは抜群だったが、次のカットで影ノミで現れた瞬間。観客全員が鼻で笑っていたぞ。あと、骨格化するの早すぎ。ご丁寧に顔面から消失。また観客全員が鼻で笑っていた。俺は笑いを堪えていた。たぶん俺が笑っていたら全員笑っていただろう。
というわけで、手を抜かない事。マイナス10点。

しかし、10点献上したい事が一つある。
T1のラストを思い出していただきたい。サラ・コナーがジープで駆けていく永久に見えたあの荒野を。

本作ではあの荒野の雰囲気が存分に引き継がれている。その点では本作はT1の最も正当な続編と呼ぶに相応しい貫禄を得ている。

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