2010年3月15日月曜日

グラン・トリノ

@イーストウッドも老けちまったな

古き良き時代の男とはなんだろう?イーストウッド御大は実に素晴らしい解答を示している。
「マトモな男ならダクトテープとバイスプライヤ、潤滑油さえあれば家の物は大概直せる。」

男に必要なのはマグナム銃でも、サイコ野郎との戦いでもない。ぶっ壊れた物はとりあえず動くように自力で直す、DIY精神こそが、先進国男性諸君が忘れつつある男の魂なのだと。
じゃあなんだこの映画は日曜大工の映画かよ?そうでは無い。
本作はイーストウッド御大演じる老人の晩節を描いた秀作だ。
この老人、親戚の自分勝手で偏屈さに拍車がかかっており、住み慣れた我が家の防衛に余生を賭そうとしていた。と、言うのも共産党の圧制から逃れた中国のモン族が彼の近所を圧倒的な人数で席巻するようになってしまったからだ。隣に住んでる婆さんに至ってはイーストウッド御大よりもパンチが効いているというオマケ付き。しかも、隣の少年が自分の愛車グラン・トリノを盗もうとしたもんだから、イーストウッド御大は高血圧気味で余生を過ごす羽目となる。
しかし、モン族の若者の少数がストリートギャング化しており、黒人のギャングと張りあって、同じモン族に暴力を振るっていた。そこにやってきたのが、イーストウッド御大。
「芝刈りも出来ない粋がった小僧ムシが好かねぇ」とばかりにギャングどもを追っ払う。

すると、翌日からモン族から感謝の声・お礼参りが殺到。
生きてる内に“お供え物”が毎日のように届く事態に激昂するイーストウッド御大だが、モン族の少女になだめられ、ようやく、地域住民との交流を結ぶようになる。
そして、車を盗んだ少年が謝罪の為に彼の元で雑用をこなすようになって行く。
イーストウッド御大は少年に色々な事を教えるようになっていくのだったが……

人種問題の根の暗さに踏み込むと同時に、過去や人種、年齢に縛られない男の友情をも描いた男のための映画である。

でも、イーストウッドよ、ライバル故チャールズ・ブロンソンのように町の不良どもなぞ通販で買ってきた最終鬼畜兵器による容赦ない皆殺しでもいいんでないかい?
あんた老けていてもビジュアルも演技もダーティー・ハリーのまんまなんだから。

0 件のコメント: