2011年1月1日土曜日

十三人の刺客(2010)

@名作
@『新・仁義の墓場』と同じぐらい名作で同じぐらい奇跡のPG-12




『十三人の刺客』というよりも『武士道戦国志』か『大笑い、十三人の、馬鹿騒ぎ』のほうが十兆倍しっくり来る作品。


敵味方含めて登場人物全員が各々のベクトルで常軌を逸しており、シグルイな価値観でのみこの異常極まりない超弩級残酷絵巻に参加している。 


仇役、松平の殿様からして既に凄い、鬼畜も鬼畜、CAVE語で言う鬼畜の領域であり『カムイ伝』の殿様と『武士道残酷物語』の殿様と『バイオレンスジャック』の殿様の全部盛りなのだ。気色悪さでは『ギニーピッグ2』の殿様の鱗片さえ見える。実際に映画を見れば小生の例えが恐ろしいほど正確である事が解る。
これを演じるのが稲垣吾郎といのもものすごい。本当に温室育ちのお殿様のイメージそのままで野蛮な悪党全部盛りなのだ。吾郎さんのいつものナルシストなオーラも相まって、立ってるだけで、不動のままで怖いとんでもない悪党が誕生してしまった。

13人の善いもんの鬼畜の親玉、役所広司はそいつの所業を目の当たりにして笑う、どん引きというよりも武者震いに近い。チープな狂笑というよりも、こみ上げる感情がなせる笑い。この導入部だけでこの映画は100点である。
で終盤の13人VS300人だが「13人が30人づつ殺れば楽勝じゃん?」と思う人も居るだろう。

『あずみと』は訳が違った、切っても切っても13人を圧殺する敵勢の圧倒的な数の脅威を描ききっている。地獄のような光景だ、13人の一人が息絶える直前に見る、敵味方が殺し殺される場面に顕著だと言える。

その末路に至るまでジャニーズ的には吾郎さんを出したのを後悔しただろうが、血だるまになりながら、鬼畜と化して「みなごろし」をやってのけたキャスト、描き抜いた三池組百点万点の武士道残酷物語ならぬ武士道鬼畜大宴会であった。

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